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2006年8月 4日 (金)

夢と現実の間で(1)

病院に着き、駐車場を降りて正面玄関に向う途中、パパからメールが入る。

『今病院に付いた』

少し歩くとパパがいつもの作業服で立って待っていた。
顔を見たとたん、涙がまた出てきた。

パパはまだ内容が分っていなかった。後で聞いたら、とにかく病院へすぐ行くように・・・と妹から連絡をもらったらしい。近くの現場で作業をしていたので、すぐ来れたようだ。

慣れない大きな病院。紹介状がありそのまま産婦人科外来に行くように言われたのに、母は違うと・・・受付などしていた。時間がとても長く感じる。立っているのが辛かった。
体が重い。

その間に、パパに伝えた。「原因は分らないけど、お腹の中で赤ちゃんが死んだの・・・」
パパは無言だった。

パパが2階にある産婦人科外来まで聞きに行ってくれた。やはりそのまま行って良かったようだ。母もかなり動揺しているなと感じる。
エレベーターで2階に上がり、廊下に面したいくつかの科の待合室を通り抜け、産婦人科外来の待合室へ。どこの科も誰もいなかった。しーんと静まり返っていた。

ソファーに座って待っていると、しばらくして診察室へ。

先生はお姉ちゃん、お兄ちゃんも何度か見てもらった方。ハキハキしていて、エコー写真も好きな所を撮って下さる。優しい先生との印象だった。
大学病院jから個人医院へ派遣で来ていたのは知っていたが、まさかまた会えるとは、とても心強かった。

でも・・・今日は違った。
何も言わずエコーで赤ちゃんと子宮の様子を見る。途中他の先生も1人やって来た。
「胎水腫ですね(肺水腫だったかな)・・・」「うん・・・」そんな会話が耳に入る。

なにそれ?私は聞くのが怖かった。エコー画面を見た。心臓の動いていない赤ちゃんがいた。先生がいくつか計測をしていた。

「赤ちゃんどっちですか?」気持ちを紛らわしたかった。なのに先生の返事はない。
「次は内診をするので○番へ入って下さい」とだけ言って、足早に出て行った。

また・・・涙が溢れてくる。パパと母が待っている待合室を横切り、反対側にある診察台へ、何度しても内診は嫌だ。トイレに行ってから、泣きながら上がった。

「痛い!!もう嫌!!!」叫んでしまった。
看護師さんが慌ててカーテンを開け、私の手を握る。

「ごめんなさい・・・」

先生は「ごめんごめん・・・はいはい・・・もうしない」と言っていた。

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